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GAKU,Paint!


自閉症の息子が奇跡を起こすまで
重度の自閉症と知的障害、そして多動症。言語能力は6歳くらい。 16歳のとき、突然「絵」を描きはじめると、世界が大きく変わりだした。


著:佐藤典雅
CCCメディアハウス
1600円+税
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重度の自閉症であるGAKUは、16歳の時に突然「絵」という「言葉」を見つけた。 絵は、彼と社会との「接点」である。


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「GAKU, Paint!」
そういうとGAKUは突然絵を描き始めた。それまで彼が絵を描くそぶりを見せたことはなかった。たまたま遠足で岡本太郎美術館にいった翌日のことだ。それから年間200枚の勢いで絵を描くようになった。

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がっちゃん(佐藤楽音)は2001年に横浜の東戸塚で生まれた。名前を呼んでも振り向くことはなく、言葉も出てこなかった。常に癇癪を起こし、車の赤信号停止でも泣き叫んだ。やがて彼はオモチャや本を横や縦に一列に並べて遊ぶようになった。今おもえばそれらは全て自閉症のサインであった。

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3歳の時に自閉症と診断され、のちに重度の知的障害と多動症であることも判明する。現在でも彼の言語能力は未就学レベルだ。そんな息子の自閉症対策のために、家族でロスアンゼルスに引っ越すことを決意する。

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アメリカで最先端の療育プログラムを受けることになったが、そこで親として大きな疑問を持つことになる。自閉症は治療する「病気」ではなく、生まれ持った「特性」ではないのか。であればがっちゃんはどこまでいってもがっちゃんだ。であれば、療育で「普通に近づける」のではなく、「環境を自閉症に近づける」方が早い。

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がっちゃんが14歳の時に日本に帰国。そして近所の福祉施設を見学した時に衝撃を受ける。教室の空間もそこで働くスタッフも、息子が楽しいと思えるような明るい環境ではなかった。そこから息子のためにアイムの福祉活動を始める。

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「がっちゃんの成長に合わせて事業を拡大する」 この指針に沿って、アイムの放課後デイ、ノーベル高校、就労支援のピカソ・カレッジ、グループホームをつくってきた。全ては自閉症のための環境をつくるためである。

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でも、がっちゃんには高校生になるのが不安でしかなかった。自分の身長が伸びて、学校も終わってしまう。彼にとっては人生は不安要素しかなかった。自分の言葉を持っておらず、いわば16年間隔離状態にあった。

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そんな彼が「絵」という言葉を見つけた。絵を通じて、自分の内面世界を表現することができるようになった。それをきっかけに世界の扉が大きく開いた。息子の「がっちゃん」から、アーティスト「GAKU」になるまでの感動の物語。



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